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屋久島だより vol.8 地域社会のあり方、人と自然との共生、そして継承

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竹本大輔

 

お正月の屋久島は、松の内まで行事が目白押しです。1月3日に消防団の出初式のリハーサル、6日には出初式本番。7日には「祝い申そう」と「鬼火焚き」。「祝い申そう」とは子どもたちが集落の家々を訪ね、玄関先でお祝いの歌を歌い、福を招き繁栄を願う行事。歌を歌い終えると、お礼としてお菓子やお年玉などをもらうのです。そして松の内の締めくくりとして7日夕方からの「鬼火焚き」。一年の無病息災を願う、大阪や愛知でいうところの「とんど焼き」、正月飾りやお守りなどの「お焚き上げ」です。飾りについてきた悪霊を火で焚いて追い払う、という意味があるのは古今東西同じようです。

 

ただ本土のそれとちょっと違うのが、竹で組み上げた櫓(集落によってはウバメガシも加えた櫓)に、鬼の絵を描いたものを掲げ、それを焚き上げるというところ。火の粉を浴びることでご利益があるといわれるのは、まさに東大寺の二月堂のお水取りの松明の火の粉と同じ。そして焼け残った竹を魔除けのためにと家に持ち帰り玄関に飾る様は、まさに大阪今宮戎の十日戎のようです。ただえべっさんで持ち帰るのは商売繁盛を願った笹ではありますが⋯。終盤にはお餅やぜんざい、ビールや三岳が振る舞われ、子どもも大人も大満足。まるで大阪は四天王寺さんの振る舞いぜんざいのよう。屋久島ならではのこの行事は、大陸からここ屋久島を経て日本列島へと伝播したのではないかと思うほど、各地の行事の原点ともいうべき姿が残っているように感じます。

 

これらの行事にすべて通じるのは、地域社会の人々が「人と自然が共生する文化」を大切にし「連綿と受け継いでいく」ということ。屋久島の子どもたちはこういった行事を通じ集落の人の顔を覚え、そして挨拶をし、どこに住んでる人なのかを知ります。大人たちはその上の世代から、竹やウバメガシをどこからどういう周期で伐採するのかの指南を受け、櫓を組む技術や行事の意味そのものを継承します。屋久島の正月行事は、地域社会の人と自然の共生の、まさに保存装置と言っても良いかもしれません。

 

今年もセンバス教育みらいプロジェクトを、どうぞよろしくお願いいたします。