屋久島だより vol.7 屋久島で考える、生き方の多様性と休暇の本質
竹本大輔
2023年10月ようやく屋久島には、コロナ後の旅行需要の復活とともに、外国人が数多く戻ってきました。軽装で縄文杉を巡る、長いルートを縦走登山をする、寒いながらもシュノーケリングをする…どちらかというと、日本人よりも積極的に様々なアクティビティを楽しむ外国人を、多く見かけます。
先日来島していた、オーストラリアに20数年在住、NICU勤務の看護師(愛知県蒲郡市生まれ育ち、50歳台、女性)の方が話していたことが印象的でした。「屋久島の素晴らしさに触れて、bucket list(バケツリスト=死ぬまでにやっておきたいことのリスト)の一つがやっと叶った」「豪州では1年に最低でも4週間、私たち看護師は6週間の有給を取得しないとダメなの。その代わり1年前に申請(民間企業では通常半年前申請)しなければならないんだけどね。豪州人はみんな『どうして日本人は4泊5日とかで海外を旅行するのか、が不思議でしょうがない』と言っているわ」
日本国内でも、ずいぶん前から「リカレント教育」や「生涯学び続けることの大切さ」は、重要視されています。そして私たちには、有給休暇と会社休日を合わせると、4週間以上の休暇取得可能な制度が与えられています。「bucket listを叶えるためにも、生涯学び続けるためにも、しっかりと休暇を取って活かさないと」との言葉も印象的でした。
日本で声高に叫ばれている働き方改革とはなんなのか。その本質はなんなのか。屋久島だからこその海外在住者や外国人との関わりの中で見えてくる「生き方の多様性」「生涯教育の重要性」。これからの日本にとってますます重要になってくるのではないでしょうか?
